日本の大学の出願資格を見るとひとつの大学でも入試の方法はいくつもあり、自分にはどの入試がいい方法なのかをまず選ばなくてはいけません。
一般入試以外の方法としてあるのがAO入試。
AO入試は2021年の入試から文部科学省の区分で総合型選抜という呼び名に変わりました。
しかし、現在でも各大学の試験の名称では「AO入試」という言葉が使われていたり「自己推薦入試」「自由選抜入試」などという使われ方もしており大学ごとに異なる名称を使っているため更にわかりずらくなっています。
明確な定義はありませんが、一般的にAO入試と言われるものがどのような試験なのかを説明したいと思います。
AO入試とは?
「AO」とはAdmission Officeの略語です
直訳するとAO入試はAdmission officeが行う入学試験ということになりますが、日本では違う意味で使われています。
日本のAO入試とは、書類と面接によってその学生の個性、適正、熱意等を見極め合否を判定する入試ということになります。そういった意味合いでいうと「自己推薦入試」「自由選抜入試」「慶應義塾大学のFIT入試」「早稲田の創成入試」「帰国生入試」など一般入試以外がほとんど全てAO入試にあたると言えるでしょう。
AO入試の特徴
現役生以外にも浪人生も出願可能な場合が多い
一般入試よりも早い時期にスケジュールされる(出願9月、発表11月)
併願可能な場合が多い
志望理由書、活動報告書、出願書類が重視され面接で最終決定が降される
小論文が多い
科目によっては学科試験もある場合がある
AO入試は何を重視した試験なのか
AO入試は書類や過去の活動、小論文などが重視されます。
高校までの自身の活動記録などを通して何に興味をもって将来何をしたいからこの大学に入りたいというような個人の背景と大学の進路が一致していることが重視されます。
将来何をしたいからこれまでこういう活動をしてきたという実績を示さなくてはいけないので、道筋がはっきり示せる場合は一般入試よりもアピールできるので有利と言えるでしょう。
年々拡大するAO入試
近年、私立の大学では募集枠に対するAO入試が占める割合は60%を超えるほどになってきました。
一般科目の点数にこだわらず平均的な学力よりも特定科目に優秀な学生を集めることがAO入試の格になっています。
以前は平均的に5科目ができる学生が重視されてきましたが、世界的な社会の変化もあり個人に求める能力が変わってきていると言えるでしょう。オールマイティーに様々なことができる人材よりも特化してその研究を行える能力と知力が求められています。
以前は学力をつけていることが評価されていましたが、現在は学力がついていることは当たり前でそれをどう生かしていく能力があるかが重要だということです。
AO入試の流れ
9月 一次選考(書類審査)
↓
11月 二次選考(面接・小論文・試験)
↓
12月 最終合格発表
書類審査
書類審査では志望動機書が必要であることがほとんどです。
この志望動機書は大学、学部により500字から2,000字と幅広いため希望する大学の出願要件を確認しましょう。
また志望動機書以外にも先生からの推薦書が必要な場合が多いため学校の先生からの推薦がないと出願できないことが多いです。また芸術系の大学であればポートフォリオなどこれまでの作品を提出しなければいけない場合もあります。どの学部であっても出願時にこれまでの活動と希望する学部に一貫性があることを志望動機書で示す必要があるので数年前から準備しなくてはいけません。場合によっては小学生のうちからコンテストなどに応募して学部に関係する実績を作っておくとよいでしょう。
AO入試で合格するためにすること
AO入試では学部に強く入学したいという意思が現れることが重要です。
一般的な学力をつけることは大前提で必要ですが、学部に関する部活に参加すること学校外での活動を記録として出せるようにしておくことが必要です。ボランティア活動も参加した証を取得しておくことや様々なコンテストに応募して何か受賞しておくとアピールしやすいです。
学校選びや出願に一番簡単な方法は、高校の先生から推薦がもらえるような高校生活を送ることです。
そうすれば大学選びも先生の推薦がもらえ受験もスムーズに早々に終わるので親子共に早い時期に入試のストレスから解消されるでしょう。
ギリギリまで大学が決まらないというストレスは大変なものです。
とりあえず一校でも合格通知をもらえれば一安心です。自分に合うAO入試があれば検討しましょう。