ドイツでは留学の際に日本での申請は必要なくドイツ到着後に現地で申請します。
日本人がビザなしでドイツに入国する際に認められている滞在期間は90日。
日本での手続きが無く入国できるので簡単なようですが短期間で全てをこなす必要があり、滞在許可の90日のうちに全ての書類を用意して申請の予約をしてビザ発行をするという少しハードなスケジュールになります。
事前に準備を怠ると滞在期間に間に合わない!ということにもなり兼ねないのでしっかりと準備をしてから渡航しましょう。
ビザの種類
ドイツの大学に正規留学する場合のビザは正式には学生ビザではなく許可されるのは長期滞在ビザと呼ばれるものになります。
大学生が取得するビザなのでインターネットの情報などでは便宜上、学生ビザと呼ばれていることがあるので混乱してしまいがちですが、正規留学の場合皆さん同じ方法で申請していることになるので一言付け加えておきます。
申請に必要な書類
日本で用意するもの
- パスポート
- ビザ用の証明写真(35mm x 45mm)
- 閉鎖口座用の資金(€10,332/約130万円)
準備のポイント
- 現地でも証明写真はもちろん取れるのですが、渡航したては場所がわからず見つからないこともあるので無駄な時間を割くため事前に準備しておくことをおすすめします。
- 海外の銀行にお金を送金する場合、銀行によってはマイナンバーの登録が必要な場合があります。渡航前に送金をする日本の銀行にオンラインで海外の銀行に送金する方法を確認し海外からお金を動かせるように準備しておきましょう。
- 海外の銀行にお金を送金する場合、一日の送金限度額があります。そちらも合わせて確認しておきましょう。
ドイツで用意するもの
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住民登録証明書(住民登録の際に発行される)
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滞在費用の証明(閉鎖口座または奨学金の証明書)
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滞在許可申請書(ビザ申請時に必要な書類)
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入学許可証
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健康保険証明書
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普通口座の3ヵ月分の明細書
※詳しくは在日ドイツ連邦共和国大使館 ビザ情報
準備のポイント
- 番号順に進めると手続きがスムーズです。
①住民登録
住民登録で住む家が決まって実際に住み始めてから2週間以内に申請しなくてはいけません。
住居があるエリアを管轄する区役所に電話orメールで連絡をし申請日を予約します。
手続きで必要な書類
- パスポート
- 入学許可証
- 申請書(区役所のHPでダウンロード)
- 家主さん用の書類
準備のポイント
- 住居の契約をする際に家主さんに書類を書いてもらえるようお願いするか契約時に家主さんに書類を書いてもらいましょう。
- 日本から下宿先を探す場合は家主さんにビザに必要な書類を書いてもらえるか確認してから部屋を決めましょう。
全ての書類を持参し手続きが完了するとすぐに仮登録書が発行されます。
②閉鎖口座の開設
ドイツの大学に留学するにはその学生が滞在中問題なく生活できることを証明しなくてはなりません。
奨学金がある人
奨学金証明書を提出
奨学金がない人
閉鎖口座(Sperrkonto)と呼ばれるドイツの銀行の口座に一定金額を入金しなくてはいけません。
ドイツの外務省が推奨している以下銀行があるので到着後すぐにそちらで口座を開設しましょう。
- BAM
- Expatrio
- Coracle
- Deutshe Bank
- Fintiba
Expatrio、Coracle、Fintibaはオンラインで口座開設が可能です。申請や手続きも比較的簡単です。
口座開設の際に必要な金額は以下です。
※費用は年により変わることがあるので確認下さい。
※在日ドイツ連邦共和国大使館 滞在費用の証明について
ブロック金額 | €10,332 |
アカウントバッファ | €100 |
口座開設費 | €49 |
口座維持手数料 | €60 |
合計 | €10,541 |
ブロック金額は月額€861で滞在期間分が必要です。
1年の場合は861×12ヵ月で€10,322。
閉鎖口座に入れたお金は毎月必要な額のみ引出すことができますが、2年目にビザを更新する際には再度滞在する期間分の額を口座に入金しなくてはいけません。
合計金額が口座に振り込まれると閉鎖口座の手続きは完了し、口座がアクティベートされます。
アクティベートされた時点でビザ申請に必要な証明書が発行されます。
準備ポイント
- 日本からドイツに開設した銀行口座に送金するのに数日かかるので余裕をもって口座開設するのがいいでしょう。
- 送金するのにマイナンバーの登録が必要な場合があります。
- 日本の銀行またはTransferwiseは渡航前に事前に海外送金ができるよう登録を済ませておきましょう。
- 手数料が安いおすすめの送金方法 Transferwiseは一日の送金限度額が100万円なので2回にわけて送金する必要があります。
③滞在許可申請書(Meldeschein)を作成する
申請書は滞在するエリアの外国人局のホームぺージからダウンロードできます。
④健康保険証明書
ドイツでは日本の健康保険は適用できません。
大学内に保険会社の事務所がある場合が多いのでそちらで申込みするのが一番簡単だと思います。保険会社によって保険料に差はありません。
契約が完了するとビザ申請に必要な書類が発行されます。
また30才以下の場合は公的健康保険にも必ず加入しなくてはいけません。
⑤普通口座の3ヵ月分の明細書
主に使用している銀行口座の直近3ヵ月分の利用明細を英文で用意します。ドイツの銀行では専用窓口があるのでそちらで発行してもらいます。
過去3ヶ月の記帳のある通帳(お金の動きがあるもの)及び過去3ヶ月分のコピー(申請される前日に記帳された最新のもの)が必要です。
ネットバンキングの場合には、前日に過去3ヶ月分を英文で印刷して持参します。
準備ポイント
- 申請する外国人局によって必要であったり、必要なかったりすることがあるようですが事前に準備しましょう。
- 直近の明細が必要なので前日に英文で印刷しましょう。
印刷コピーできる場所
申請書類を作成する際に何枚も印刷やコピーが必要になります。
日本であればコンビニへ行けばどこでもいつでも印刷できますが、ドイツではDMというドラックストアで印刷をします。日本語表示のあるコピー機があることもあるので見つけたらラッキーです、日本と同じようにUSBにデータを入れて持ち込んで印刷するということが可能です。
ドラックストア以外には小さな個人商店などでも印刷可能です。店先にcopy shopと書かれた看板をつけていたりGoogle Mapで調べるとたくさん出てきます。
準備ポイント
- 渡航前にUSBメモリを購入しておきましょう。
⑥外国人局で申請の予約をする
全ての書類が揃ったらいよいよ外国人局で申請をします。
ドイツの大学の新学期である9月から10月は申請者が多く予約をしてから申請できるまで1ヵ月かかることもあるので書類準備の一連の流れを予想し全ての書類が揃う日を見込んで早めに予約をしておきましょう。
書類準備中にわからないことや困ったことがあったら大学の相談員にすぐに相談しましょう。
大学内には海外からの留学生をサポートする部署が必ずあるので、彼らに質問すればほとんどのことは解決できます。入国してから90日以内に申請しないといけないので悩んでる時間はありません。わからなければすぐに聞いて次々と準備を進めていきましょう。
準備ポイント
- 9月10月の申請は混むので1ヵ月前には申請日の予約をしましょう。
- わからないことはすぐ大学に相談しましょう。
- 申請書類に不備がなければその日のうちに仮のビザ(A4用紙1枚)が発行されます。
ビザの申請までたくさんすることがありますが、ドイツに滞在する学生さんは皆さん自分で手続きをしています。
滞在期限内に手続きを済ませなくてはいけないので焦ってしまうかもしれませんが、順番に必要書類を用意すればいいだけなので難しいことはありません。落ち着いてひとつひとつこなせば正規留学の場合は問題なく滞在ビザが取得できるのでそんなに不安になることはありません。