学費・寮費・食費すべて無料で通える日本の大学として先日の記事で紹介した防衛大学校。
【日本】学費・寮費・食費すべて無料!大学進学に防衛大学校を選ぶ理由
コロナ禍で大学進学を諦める学生が多い現在、防衛大学校に注目する学生が増えています。
今回は防衛大学校の続編として二足のわらじのもうひとつの顔、国家公務員としての側面を紹介します。
大学在学中の初任給はいくら?
学生でありながら二足の草鞋を履く防衛大学校の学生。
学生という側面の他にもうひとつ防衛省の国家公務員という肩書もあります。
防衛大学校の学生は学生でありながらなんと給料が貰えるんです。
給料は月額117,000円
学生は給料ではなく学生手当という名目で給料を貰います。
月額117,000円の中から保険や共済組合の会費などが天引きされ実際の手取りは85,000円ぐらいのようです。
初任給の手取り額としては少ないですが、仕事は学生なので授業を受けることがメインの仕事になります。
学費も入学金も払うことなく学校で自衛官になるための教育を受けるだけでお給料を貰えるなんて自衛官になりたい人にとっては夢のような制度ではないでしょうか。
前回お伝えしましたが、大学に通う際にかかる費用は一切なく学費、寮費、食費、制服代など全てが無料で進学できるので防衛大学校に在学中はお金を一切使うことなく全て貯金に回すことも可能です。
防衛大学校の学生が貰う国家公務員のボーナス額は?
学費無料で給料が貰えることだけでもすごいのですが、なんと防衛大学校の学生はボーナスまで貰えます!
学生は期末手当という名目で年に二回ボーナスが支給されます。
年額期末手当 397,800円
学生でありながら毎月給料が貰えて、ボーナスは年で397,800円。
年収は¥1,801,800円
年収から上記金額からいろいろ差し引かれますが、学校に通いながらこれだけの収入を得られるのは国家公務員の大きな利点ではないでしょうか。また上記金額に任期満了金がプラスされる年もあります。自衛官エリートを目指すという将来は特別な立場になれることを踏まえても将来有望な進学先のひとつだと言えるでしょう。大学進学の選択肢として考えてみるのも悪くないかもしれません。
国家公務員の恩恵 「共済年金」「厚生年金」に加入できる
学生は防衛大学校に入校してすぐ、国家公務員という肩書も手に入れることができます。
学生でありながら国家公務員になるので国の年金システムにも加入することができるんです。
厚生年金が受け取れる金額
年金支給年齢 65才
年金支給額 月額15万円(勤続30年の場合)
※例20才で自衛隊に加入して50才で定年退職した場合
退職金は?
自衛官にも退職金制度があります。
自衛官の退職金は基本「棒給」と呼ばれる給料に「勤務年数に応じた支給数」を掛けて計算されます。
自衛官の退職金計算方法(支給率)
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25年勤務 34.6倍
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26年勤務 36.1倍
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35年以上勤務 49.59倍
退職金は棒給に上記支給率が掛けられ勤務年数に応じて掛け率があがっていきますが、35年以上の場合は上限49.59倍で固定されています。こちらの支給数にプラスして階級ごとの調整額がプラスされ自衛官が受け取る退職金は1,000万から1,300万弱ぐらいが平均のようです。
退職金をもらうには自衛官として6ヵ月以上勤務が必要
- 定年退職
- 自己都合で退職
- 公務で死亡
- 公務以外で死亡
退職金が支払われるタイミングは上記4つ。
定年、自己都合は一般企業と同じですが、公務で死亡という項目があるという点が、自衛官が国を守る特別な仕事であることを再認識する事項ですね。
若年退職給付金制度とは?
自衛官の定年は50才。一般企業よりもかなり早い年齢で定年退職がきてしまいます。
50才で退職して国の厚生年金を受け取るまでは15年の期間があります。
その間、再就職先が見つからなければ無収入となってしまうので生活に不安を抱く人も多いかもしれません。
しかし、自衛官には若年退職給付金制度という制度があり、その給付額で65才までの期間を過ごせるように制度が成り立っています。若年退職給付金額は勤務期間、再就職があるか否かにもよりますが、1,000万円ほどもらえるので贅沢な暮らしをしなければ働かなくても暮らしていくことも可能です。
しかしながら50才という年齢はまだまだ働き盛りです。
ほとんどの人が再就職を望み、自衛官であった肩書きは有利に働きます。同年代で仕事を探している他の職種の人よりも定年後も再就職先を見つけやすい傾向にあります。
※退職給付金は任期を満了した人にのみ支払われるものです。
自衛官が受け取れる任期満了金額は?
自衛官が受け取れる生涯年収のひとつに退職金以外にも、任期満了金という制度があります。
任期満了金は任期を満了する時期により金額が変わるもので各年齢によりその金額を設定しています。
自衛隊員の仕事は体力勝負でもあるので体力やケガ、病気などで退職年齢の50才まで激務を追行できない人も多いです。そういった場合にでも任期を満了している勤務数に応じて満了金が支給されます。
陸上自衛官の任期満了金
2/4/6/8/10….2年おきのカウント
1任期満了で54万円 + 2任期満了138万円
海上・航空自衛官の任期満了金
3/5/7/9/11…間隔でカウント
1任期満了で90万円 + 2任期満了で143万円
任期満了金は任期に応じて追加で金額が上乗せされていく仕組みです。
陸自が1任期満了すると54万円もらえ2任期満了時に138万円がプラスされるので、4年間任務にあたると192万円任期満了金を受け取れることになります。
自衛官候補生になれるチャンスは若年層のみ
防衛大学校に行くだけが自衛官になる方法ではありません。
大学に進学しなくても中卒、高卒で自衛官になる方法もあります。ただし自衛官になれるのは18才から27才までの体力のある若い人のみ、自衛官候補生として自衛隊の門をくぐり受験で合格すれば自衛官になることができます。
対象年令の日本人であればだれでもチャンスがあります。
コロナ禍で大学進学を諦める学生が増える今、こういう方法で学校に通うというのも選択肢にあることを知っておくことがいつか役に立つ時がくるかもしれません。
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